宅建 用語集
宅建の学習で出てくる用語115語の意味を、分野別にまとめました。用語を選ぶと、関連する用語やその用語が出てくる問題へ進めます。
権利関係(49語)
- 制限行為能力者
- 制限行為能力者とは、単独で確定的に有効な法律行為をする能力(行為能力)が制限されている者で、未成年者、成年被後見人、被保佐人、同意権付与の審判を受けた被補助人の4種類である。制限行為能力者が単独でした一定の行為は、取り消すことができる。 相手方は、1か月以上の期間を定めて追認するかどうかを催告でき、制限行為能力者が行為能力者であると信じさせるため詐術を用いたときは取り消せない。
- 未成年者
- 民法上の未成年者とは、18歳未満の者である(2022年4月から成年年齢が18歳に引き下げられた)。未成年者が法律行為をするには法定代理人の同意が必要で、同意なしにした行為は取り消すことができる。 ただし、単に権利を得たり義務を免れたりする行為、法定代理人が処分を許した財産の処分、営業を許可された未成年者のその営業に関する行為は、単独で有効にできる。
- 成年被後見人
- 成年被後見人とは、精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある者で、家庭裁判所の後見開始の審判を受けた者である。成年被後見人がした法律行為は、日用品の購入その他日常生活に関する行為を除き、取り消すことができる。成年後見人の同意を得て行った行為でも取り消せる点が、被保佐人などと異なる。 成年後見人が成年被後見人に代わって居住用の建物や敷地を売却・賃貸するなどの処分をするには、家庭裁判所の許可が必要である。
- 被保佐人
- 被保佐人とは、精神上の障害により事理を弁識する能力が著しく不十分な者で、家庭裁判所の保佐開始の審判を受けた者である。借財や保証、不動産その他重要な財産に関する権利の得喪を目的とする行為、一定期間を超える賃貸借など、法律で定める重要な行為をするには保佐人の同意が必要で、同意や同意に代わる家庭裁判所の許可なくした行為は取り消すことができる。
- 心裡留保
- 心裡留保とは、表意者が真意でないことを自ら知りながら行う意思表示である(冗談で「売る」と言うなど)。心裡留保による意思表示は原則として有効だが、相手方がその意思表示が真意でないことを知り、または知ることができたときは無効となる。この無効は、善意の第三者に対抗することができない。
- 虚偽表示
- 虚偽表示(通謀虚偽表示)とは、相手方と通じてした真意でない意思表示で、例えば差押えを免れるために売買を仮装することをいう。虚偽表示は当事者間では無効だが、その無効は善意の第三者に対抗することができない。第三者は善意であればよく、無過失や登記は必要とされない。
- 錯誤
- 錯誤とは、意思表示に対応する意思を欠く錯誤(表示の錯誤)や、法律行為の基礎とした事情についての認識が真実に反する錯誤(動機の錯誤)をいう。錯誤が法律行為の目的や取引上の社会通念に照らして重要なものであるときは、意思表示を取り消すことができる。動機の錯誤は、その事情が法律行為の基礎とされていることが表示されていたときに限り取り消せる。 表意者に重大な過失があるときは、相手方が悪意・重過失のときや同一の錯誤に陥っていたときを除き、取り消せない。取消しは善意・無過失の第三者に対抗できない。
- 詐欺による意思表示
- 詐欺または強迫による意思表示は、取り消すことができる。相手方以外の第三者が詐欺を行った場合は、相手方がその事実を知り、または知ることができたときに限り取り消せる。詐欺による取消しは善意・無過失の第三者に対抗できない。 強迫による意思表示は、第三者が強迫した場合でも取り消すことができ、取消しを善意・無過失の第三者にも対抗できる点で詐欺と異なる。
- 代理
- 代理とは、代理人が本人のためにすることを示して(顕名)相手方と意思表示をし、その効果が直接本人に帰属する制度である。代理人が顕名をしなかったときは、原則として代理人自身のための意思表示とみなされる。代理人は行為能力者である必要はなく、制限行為能力者が代理人としてした行為は、原則として行為能力の制限を理由に取り消せない。 同一の法律行為について相手方の代理人となったり、当事者双方の代理人となったりする行為(自己契約・双方代理)は、無権代理行為とみなされる。
- 無権代理
- 無権代理とは、代理権を持たない者が代理人として行った行為で、本人が追認しなければ本人に効力を生じない。追認は、別段の意思表示がない限り契約の時にさかのぼって効力を生じる。 相手方は、相当の期間を定めて本人に追認するかどうかを催告でき、期間内に確答がなければ追認を拒絶したものとみなされる。善意の相手方は、本人の追認がない間は契約を取り消せる。無権代理人は、代理権を証明できず本人の追認も得られないときは、相手方の選択に従い履行または損害賠償の責任を負う。
- 表見代理
- 表見代理とは、無権代理であっても、本人に代理権があるかのような外観を作った責任があり、相手方がその外観を信じたことに正当な理由がある場合に、本人に責任を負わせて有効な代理と同様に扱う制度である。代理権を与えた旨を表示した場合、与えた代理権の範囲を超えて代理行為がされた場合、代理権が消滅した後に代理行為がされた場合の3類型があり、いずれも相手方の善意・無過失が必要である。
- 復代理
- 復代理とは、代理人が自分の名で選任した別の者(復代理人)に、本人を代理させることである。委任による代理人(任意代理人)は、本人の許諾を得たとき、またはやむを得ない事由があるときでなければ復代理人を選任できない。法定代理人は、自己の責任で自由に復代理人を選任できる。復代理人は本人を直接代理し、代理人の代理権が消滅すると復代理権も消滅する。
- 取得時効
- 取得時効とは、他人の物を一定期間占有し続けることで、その物の所有権などを取得する制度である。所有の意思をもって、平穏かつ公然と他人の物を20年間占有した者は所有権を取得する。占有の開始の時に善意・無過失であった場合は、10年間で取得する。 善意・無過失は占有の開始時に判断され、途中で悪意になっても10年で取得できる。前の占有者の占有期間をあわせて主張することもできる。
- 消滅時効
- 消滅時効とは、権利を一定期間行使しないことで、その権利が消滅する制度である。債権は、債権者が権利を行使することができることを知った時から5年間、または権利を行使することができる時から10年間行使しないときに、時効によって消滅する。 人の生命・身体の侵害による損害賠償請求権は、権利を行使できる時からの期間が20年となる。所有権は消滅時効にかからない。時効の効果は、当事者が援用して初めて生じる。
- 時効の完成猶予と更新
- 時効の完成猶予とは、一定の事由がある間は時効が完成しないことで、時効の更新とは、それまでに経過した時効期間がリセットされ、新たにゼロから進行し始めることである。裁判上の請求は手続中は完成猶予となり、確定判決などで権利が確定すると時効が更新される。催告は6か月間の完成猶予の効力しかなく、再度の催告で延長はできない。債務者が権利を承認すると時効は更新される。
- 対抗要件
- 対抗要件とは、成立した権利関係を当事者以外の第三者に主張するために必要な要件である。不動産に関する物権の取得・喪失・変更は、不動産登記法などの定めに従い登記をしなければ第三者に対抗できない。例えば二重譲渡では、先に登記を備えた買主が所有権を主張できる。 不法占拠者や、登記がないことを主張するのが信義に反する背信的悪意者は、ここでいう第三者に当たらない。
- 抵当権
- 抵当権とは、債務者または第三者(物上保証人)が占有を移さないまま不動産を債務の担保に供し、債務が弁済されないときに、その不動産の代価から他の債権者に先立って弁済を受けることができる権利である。不動産の所有権のほか、地上権・永小作権にも設定できる。 抵当権者が優先弁済を受けられる利息などは、満期となった最後の2年分に限られる。抵当権は、目的物の売却・賃貸・滅失によって債務者が受ける金銭などにも、払渡し前に差し押さえることで行使できる(物上代位)。
- 根抵当権
- 根抵当権とは、一定の範囲に属する不特定の債権を、極度額の限度で担保するために設定する抵当権である。継続的な取引から生じる債権などをまとめて担保できる。担保される債権の範囲は、特定の継続的取引契約や一定の種類の取引などで定める。 根抵当権者は、確定した元本と利息などの全部について極度額を限度として優先弁済を受けられ、普通抵当権のような最後の2年分の制限はない。元本の確定前であれば、後順位抵当権者などの承諾なしに被担保債権の範囲を変更できる。
- 法定地上権
- 法定地上権とは、抵当権の実行によって土地と建物の所有者が別々になった場合に、建物のために法律上当然に成立する地上権である。抵当権設定の当時に土地の上に建物が存在し、土地と建物が同一の所有者に属していたことが要件となる。更地に抵当権を設定した後に建物が建てられた場合は、成立しない。
- 抵当権消滅請求
- 抵当権消滅請求とは、抵当不動産の所有権を取得した第三者(第三取得者)が、抵当権者に一定の金額を支払う旨を書面で提供し、抵当権の消滅を請求する制度である。抵当権の実行としての競売による差押えの効力が発生する前に請求しなければならない。主たる債務者や保証人などは請求できない。
- 債務不履行
- 債務不履行とは、債務者が債務の本旨に従った履行をしないこと、または履行が不能であることをいい、債権者はこれによって生じた損害の賠償を請求できる。ただし、債務の不履行が契約その他の債務の発生原因や取引上の社会通念に照らして債務者の責めに帰することができない事由によるときは、損害賠償の責任を負わない。 金銭債務の不履行は、不可抗力をもって抗弁とすることができない。
- 契約の解除
- 契約の解除とは、当事者の一方の意思表示によって契約を初めからなかったことにすることである。債務者が債務を履行しない場合、債権者は相当の期間を定めて履行を催告し、期間内に履行がなければ解除できる(不履行が軽微なときは不可)。履行不能や明確な履行拒絶などの場合は、催告せずに直ちに解除できる。 債務者の帰責事由は解除の要件ではない。解除によって各当事者は原状回復義務を負うが、解除前の第三者の権利を害することはできない。
- 危険負担
- 危険負担とは、当事者双方の責めに帰することができない事由で債務の履行ができなくなった場合に、反対給付(例えば売買代金の支払い)をどうするかの問題である。民法では、債権者は反対給付の履行を拒むことができるとされる。債権者の責めに帰すべき事由で履行できなくなったときは、債権者は反対給付の履行を拒めない。 売買では、目的物の引渡し後に当事者双方の責めに帰することができない事由で滅失・損傷したときは、買主は代金の支払いを拒めない。
- 契約不適合責任
- 契約不適合責任とは、売買で引き渡された目的物が種類・品質・数量に関して契約の内容に適合しない場合に、売主が負う責任である。買主は、目的物の修補などの履行の追完を請求でき、追完されないときは代金の減額を請求できる。あわせて、債務不履行の一般規定による損害賠償の請求や契約の解除もできる。 種類・品質の不適合については、買主が不適合を知った時から1年以内にその旨を売主に通知しないと、これらの権利を行使できない(売主が引渡し時に知り、または重大な過失で知らなかったときを除く)。
- 手付
- 手付とは、売買契約の締結の際に買主から売主に交付される金銭で、特に定めがなければ解約手付と推定される。買主はその手付を放棄し、売主はその倍額を現実に提供して、契約を解除することができる。ただし、相手方が契約の履行に着手した後は、手付による解除はできない。手付による解除をした場合は、別に損害賠償を請求できない。
- 賃貸借
- 賃貸借とは、当事者の一方(賃貸人)がある物の使用・収益を相手方(賃借人)にさせることを約し、相手方がこれに対して賃料を支払うことなどを約する契約である。民法上の存続期間は50年を超えることができない。賃貸人は使用・収益に必要な修繕をする義務を負い、賃借人が支出した必要費は直ちに、有益費は賃貸借の終了時に償還を請求できる。 建物の所有を目的とする土地の賃貸借と建物の賃貸借には、借地借家法が優先して適用される。
- 転貸
- 転貸とは、賃借人が借りている物をさらに第三者に貸すことである。賃借人は、賃貸人の承諾を得なければ、賃借権を譲り渡したり、賃借物を転貸したりすることができない。無断で第三者に使用・収益させたときは、賃貸人は契約を解除できる。ただし判例上、賃貸人に対する背信的行為と認めるに足りない特段の事情があるときは、解除できない。 適法に転貸したときは、転借人は賃貸人に対して直接義務を負う。
- 敷金
- 敷金とは、いかなる名目によるかを問わず、賃料債務その他の賃貸借に基づいて生ずる賃借人の金銭債務を担保する目的で、賃借人が賃貸人に交付する金銭である。賃貸人は、賃貸借が終了し、かつ賃貸物の返還を受けたときに、未払賃料などを差し引いた残額を返還しなければならない。明渡しが先で、敷金の返還と同時履行の関係にはない。 賃貸人が変わったときは、敷金に関する権利義務は新しい賃貸人に承継される。
- 借地権
- 借地権とは、建物の所有を目的とする地上権または土地の賃借権をいい、借地借家法が適用される。存続期間は30年で、これより長い期間を定めたときはその期間となる。更新後の期間は、最初の更新では20年、2回目以降は10年(これより長い定めはその期間)である。 期間満了時に建物があれば、借地権者が更新を請求したときなどは従前と同一の条件で更新したものとみなされ、借地権設定者が拒むには遅滞なく異議を述べ、その異議に正当事由が必要となる。
- 定期借地権
- 定期借地権とは、契約の更新がなく、期間の満了で確定的に終了する借地権である。存続期間を50年以上とする一般定期借地権(特約は書面または電磁的記録で)、専ら事業の用に供する建物の所有を目的とし、存続期間を10年以上50年未満とする事業用定期借地権等(公正証書で)、30年以上経過後に建物を借地権設定者に譲渡する特約を付ける建物譲渡特約付借地権がある。事業用定期借地権等は居住用の建物には使えない。
- 借地権の対抗力
- 借地権は、その登記がなくても、土地の上に借地権者が登記されている建物を所有するときは、第三者に対抗することができる。建物の登記は借地権者本人の名義である必要があり、家族名義の登記では対抗できないとするのが判例である。建物が滅失しても、一定事項を土地の上の見やすい場所に掲示すれば、滅失の日から2年間は対抗力が維持される。
- 建物賃貸借の更新
- 期間の定めのある建物賃貸借で、当事者が期間満了の1年前から6か月前までの間に、相手方に更新をしない旨などの通知をしなかったときは、従前の契約と同一の条件で契約を更新したものとみなされる(期間は定めがないものとなる)。賃貸人からの更新拒絶の通知や解約の申入れには、正当事由が必要である。 期間を1年未満とする建物賃貸借は、期間の定めがないものとみなされる。期間の定めがない場合、賃貸人の解約申入れの日から6か月を経過すると終了する。
- 建物賃借権の対抗力
- 建物の賃貸借は、その登記がなくても、建物の引渡しがあったときは、その後その建物について物権を取得した者に対抗することができる。建物が売却されても、引渡しを受けている賃借人は新しい所有者に賃借権を主張できる。
- 定期建物賃貸借
- 定期建物賃貸借とは、契約の更新がない建物賃貸借である。公正証書による等書面(または電磁的記録)によって契約し、賃貸人はあらかじめ、更新がなく期間の満了で終了することを書面を交付して説明しなければならない。説明がないときは更新がないとする定めは無効となる。 期間が1年以上の場合、賃貸人は期間満了の1年前から6か月前までに、期間の満了で終了する旨を通知しなければ終了を対抗できない。床面積200平方メートル未満の居住用建物では、やむを得ない事情がある賃借人は中途解約を申し入れられる。
- 造作買取請求権
- 造作買取請求権とは、建物の賃借人が賃貸人の同意を得て建物に付加した畳や建具などの造作について、賃貸借が期間満了や解約申入れで終了するときに、賃貸人に時価で買い取るよう請求できる権利である。この権利は特約で排除することができる。
- 法定相続分
- 法定相続分とは、民法が定める相続人ごとの遺産の取り分である。配偶者と子が相続人のときは各2分の1、配偶者と直系尊属のときは配偶者3分の2・直系尊属3分の1、配偶者と兄弟姉妹のときは配偶者4分の3・兄弟姉妹4分の1となる。子・直系尊属・兄弟姉妹が複数いるときは、原則として等分する。父母の一方だけを同じくする兄弟姉妹の相続分は、父母の双方を同じくする兄弟姉妹の2分の1である。
- 代襲相続
- 代襲相続とは、相続人となるはずの子や兄弟姉妹が、相続開始以前に死亡していたり、相続欠格・廃除によって相続権を失っていたりした場合に、その者の子が代わって相続することである。子の代襲は孫、ひ孫と続く(再代襲)が、兄弟姉妹の代襲はその子(おい・めい)までに限られる。相続の放棄をした者の子は代襲相続しない。
- 相続の放棄
- 相続の放棄とは、相続人が相続によって生じる権利義務を一切受け継がないことである。自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内(熟慮期間)に、家庭裁判所に申述して行う。放棄をした者は、その相続に関して初めから相続人とならなかったものとみなされ、その者の子は代襲相続しない。相続開始前に放棄することはできない。 相続財産の限度で債務を負担する限定承認は、共同相続人の全員が共同して行わなければならない。
- 遺言
- 遺言とは、自分の死後の財産の処分などについて、法律の定める方式に従って行う意思表示である。15歳に達した者は遺言をすることができる。自筆証書遺言は、全文・日付・氏名を自書して押印するが、添付する財産目録は自書でなくてもよい(各ページに署名押印が必要)。 遺言者はいつでも遺言の方式に従って遺言を撤回でき、前の遺言と後の遺言が抵触するときは、その部分は後の遺言で撤回したものとみなされる。法務局で保管された自筆証書遺言は、家庭裁判所の検認が不要となる。
- 遺留分
- 遺留分とは、兄弟姉妹以外の法定相続人に法律上保障された、遺産の最低限の取り分である。遺留分の割合は、直系尊属のみが相続人の場合は遺留分算定の基礎となる財産の3分の1、それ以外の場合は2分の1で、これに各自の法定相続分を掛ける。 遺贈や贈与で遺留分を侵害された者は、受遺者などに侵害額に相当する金銭の支払いを請求できる(遺留分侵害額請求)。この権利は、相続の開始と侵害を知った時から1年、相続開始の時から10年で行使できなくなる。相続開始前の遺留分の放棄には家庭裁判所の許可が必要である。
- 配偶者居住権
- 配偶者居住権とは、被相続人の配偶者が、相続開始の時に被相続人の財産である建物に居住していた場合に、遺産分割や遺贈などによって、その建物の全部を無償で使用・収益できる権利である。存続期間は原則として配偶者の終身の間で、居住建物の所有者は配偶者居住権の設定の登記を備えさせる義務を負う。配偶者居住権は譲渡できない。
- 共有
- 共有とは、一つの物を複数の者が持分に応じて所有することである。各共有者は、共有物の全部について持分に応じた使用ができる。共有物の保存行為は各共有者が単独で、管理に関する事項(賃借権の短期の設定などを含む)は持分の価格の過半数で決め、形状または効用の著しい変更を伴う変更は共有者全員の同意が必要である。 各共有者はいつでも共有物の分割を請求できるが、5年を超えない期間内で分割しない旨の契約をすることもできる。共有者の一人が持分を放棄したり相続人なく死亡したりしたときは、その持分は他の共有者に帰属する。
- 不法行為
- 不法行為とは、故意または過失によって他人の権利や法律上保護される利益を侵害した者が、これによって生じた損害を賠償する責任を負う制度である。被用者が事業の執行について第三者に損害を加えたときは、使用者も責任を負い(使用者責任)、賠償した使用者は信義則上相当な限度で被用者に求償できる。 土地の工作物の瑕疵で損害が生じたときは、まず占有者が責任を負い、占有者が損害の発生を防止するのに必要な注意をしたときは所有者が無過失責任を負う。損害賠償請求権は、損害と加害者を知った時から3年(人の生命・身体の侵害は5年)、不法行為の時から20年で時効消滅する。
- 連帯債務
- 連帯債務とは、複数の債務者が同一内容の給付について、各自が全部の給付をする義務を負い、そのうち一人が給付をすれば全員の債務が消滅する債務である。債権者は、連帯債務者の一人または全員に、同時または順次に全部または一部の履行を請求できる。 一人の連帯債務者について生じた事由は、弁済・更改・相殺・混同を除き、原則として他の連帯債務者に効力を生じない(相対的効力)。履行の請求や免除も相対的効力である。
- 保証
- 保証とは、主たる債務者が債務を履行しない場合に、保証人がその履行をする責任を負う契約で、書面(または電磁的記録)でしなければ効力を生じない。保証人には、先に主たる債務者に請求するよう求める催告の抗弁権と、主たる債務者の財産から執行するよう求める検索の抗弁権がある。 連帯保証人にはこれらの抗弁権がない。個人が根保証契約をするときは極度額を定めなければ効力を生じない。
- 区分所有権
- 区分所有権とは、一棟の建物のうち構造上・利用上独立した部分(専有部分)を目的とする所有権である。専有部分以外の廊下・階段などの建物の部分は共用部分で、区分所有者全員の共有に属し、各共有者の持分は原則として専有部分の床面積の割合による。共用部分の持分は専有部分と分離して処分できない。 規約によって共用部分とした部分(規約共用部分)は、その旨の登記をしなければ第三者に対抗できない。敷地利用権も、規約に別段の定めがない限り専有部分と分離して処分できない。
- 集会の決議
- 区分所有建物の集会は、管理者が少なくとも毎年1回招集し、招集の通知は会日より少なくとも1週間前に会議の目的たる事項などを示して発する。集会の議事は、法律や規約に別段の定めがない限り、出席した区分所有者とその議決権の各過半数で決する(2026年4月施行の改正で出席者を基準とする方式になった)。 規約の設定・変更・廃止は、区分所有者と議決権の各過半数が出席し、出席者とその議決権の各4分の3以上で決する。建替え決議は区分所有者と議決権の各5分の4以上が必要で、耐震性の不足など一定の場合は4分の3以上に緩和される。
- 不動産登記
- 不動産登記とは、土地・建物の物理的な状況や権利関係を登記記録に記録して公示する制度で、表示に関する登記と権利に関する登記がある。新築した建物の所有権を取得した者は、取得の日から1か月以内に表題登記を申請しなければならないなど、表示に関する登記には申請義務がある。 権利に関する登記は、原則として登記権利者と登記義務者が共同で申請する。相続や確定判決による登記は単独で申請できる。2024年4月から、相続で不動産を取得した相続人は、取得を知った日から3年以内に相続登記を申請する義務を負う。
- 仮登記
- 仮登記とは、本登記をするための手続上の条件がそろっていない場合などに、将来の本登記の順位を保全するためにあらかじめ行う登記である。仮登記に基づいて本登記をすると、本登記の順位は仮登記の順位による。仮登記は、仮登記義務者の承諾があるときなどは、仮登記権利者が単独で申請できる。所有権に関する仮登記に基づく本登記は、登記上の利害関係を有する第三者の承諾があるときに限り申請できる。
宅建業法(37語)
- 宅地建物取引業
- 宅地建物取引業とは、宅地または建物について、自ら売買・交換をすること、または売買・交換・貸借の代理や媒介をすることを、業として行うものをいう。不特定多数の人を相手に反復継続して行うと「業として」に当たる。 自ら貸主となって賃貸する(転貸を含む)ことは取引に含まれないため、免許は要らない。国・地方公共団体には宅地建物取引業法が適用されず、信託会社は免許の規定が適用されない代わりに国土交通大臣への届出が必要である。
- 宅地
- 宅地建物取引業法上の宅地とは、建物の敷地に供せられる土地(現に建物が建っている土地と、建物を建てる目的で取引される土地)をいう。さらに、都市計画法の用途地域内の土地は、道路・公園・河川・広場・水路の用に供されているものを除き、現況にかかわらず宅地に当たる。登記簿上の地目では判断しない。
- 宅地建物取引業の免許
- 宅地建物取引業を営むには免許が必要で、二以上の都道府県の区域内に事務所を設置する場合は国土交通大臣、一の都道府県の区域内にのみ設置する場合はその都道府県知事の免許を受ける。免許の有効期間は5年で、更新を受けようとする者は有効期間満了の日の90日前から30日前までに申請する。 更新の申請をした場合、処分がされるまでは従前の免許が有効期間満了後も効力を持つ。
- 免許の欠格要件
- 免許の欠格要件とは、宅地建物取引業の免許を受けられない事由である。破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者、不正手段による免許取得などで免許を取り消されて5年を経過しない者、拘禁刑以上の刑や宅地建物取引業法違反などによる罰金刑に処せられ刑の執行を終わるなどしてから5年を経過しない者、暴力団員等などが該当する。 法人では、役員や政令で定める使用人が欠格要件に当たると免許を受けられない。
- 免許換え
- 免許換えとは、宅地建物取引業者が事務所の新設・廃止・移転によって免許権者が変わる場合に、新たな免許権者から免許を受け直すことである。例えば知事免許の業者が他の都道府県にも事務所を設けると、国土交通大臣の免許を受ける必要がある。新しい免許を受けると従前の免許は効力を失い、新しい免許の有効期間は5年となる。
- 宅地建物取引士
- 宅地建物取引士とは、宅地建物取引士資格試験に合格し、都道府県知事の登録を受け、宅地建物取引士証の交付を受けた者である。重要事項の説明、重要事項説明書(35条書面)への記名、契約書面(37条書面)への記名は、宅地建物取引士でなければ行えない。 宅地建物取引士は、公正かつ誠実に業務を行い、信用や品位を害する行為をしてはならず、知識と能力の維持向上に努める義務を負う。
- 宅地建物取引士の登録
- 宅地建物取引士資格試験に合格した者は、宅地建物の取引に関し2年以上の実務経験があるか、国土交通大臣の登録を受けた講習(登録実務講習)を修了するなどして、試験を行った都道府県知事の登録を受けることができる。登録には欠格事由があり、登録を受けた者は住所などの登録事項に変更があれば遅滞なく変更の登録を申請する。登録に有効期間はない。
- 宅地建物取引士証
- 宅地建物取引士証とは、登録を受けた者が登録をしている都道府県知事に申請して交付を受ける証で、有効期間は5年である。交付を受けるには、申請前6か月以内に行われる知事指定の講習(法定講習)を受講しなければならない(試験合格の日から1年以内の場合を除く)。 取引の関係者から請求があったときと、重要事項の説明をするときは、宅地建物取引士証を提示しなければならない。
- 専任の宅地建物取引士
- 宅地建物取引業者は、事務所ごとに、業務に従事する者の数に対して国土交通省令で定める数(5人に1人以上)の成年者である専任の宅地建物取引士を置かなければならない。一定の案内所などにも1人以上置く。 人数が不足したときは、2週間以内に必要な措置をとらなければならない。業者本人や役員が宅地建物取引士であれば、その者が主として業務に従事する事務所の専任の宅地建物取引士とみなされる。
- 営業保証金
- 営業保証金とは、宅地建物取引業者との取引で生じた債権を保護するため、業者が主たる事務所の最寄りの供託所に供託する金銭(または有価証券)である。額は主たる事務所について1,000万円、その他の事務所1か所ごとに500万円(政令で定める額)である。 供託して免許権者に届け出た後でなければ事業を開始できない。業者と宅地建物取引業に関して取引をした者(宅地建物取引業者を除く)は、営業保証金から還付を受けられる。
- 宅地建物取引業保証協会
- 宅地建物取引業保証協会とは、宅地建物取引業者だけを社員とする一般社団法人で、国土交通大臣の指定を受け、苦情の解決、研修、弁済業務などを行う団体である。保証協会の社員になった業者は、営業保証金を供託する必要がなく、代わりに弁済業務保証金分担金を保証協会に納付する。一つの保証協会の社員は、他の保証協会の社員になれない。
- 弁済業務保証金分担金
- 弁済業務保証金分担金とは、保証協会に加入しようとする宅地建物取引業者が、加入しようとする日までに保証協会に納付する金銭で、額は主たる事務所について60万円、その他の事務所1か所ごとに30万円(政令で定める額)である。金銭で納付しなければならない。 保証協会は納付を受けた日から1週間以内に、同額の弁済業務保証金を法務大臣と国土交通大臣が定める供託所に供託する。社員が新たに事務所を設けたときは、その日から2週間以内に分担金を納付する。
- 媒介契約
- 媒介契約とは、宅地建物取引業者が依頼者から宅地・建物の売買・交換の相手方を探して契約を成立させること(媒介)を依頼される契約である。業者は媒介契約を締結したときは、遅滞なく、物件の表示、売買すべき価額、有効期間、指定流通機構への登録、報酬などを記載した書面(媒介契約書)を作成して記名押印し、依頼者に交付しなければならない(依頼者の承諾があれば電磁的方法も可)。 価額について意見を述べるときは、その根拠を明らかにしなければならない。
- 一般媒介契約
- 一般媒介契約とは、依頼者が他の宅地建物取引業者にも重ねて媒介や代理を依頼することができる媒介契約である。他の業者を明示する義務がある明示型と、ない非明示型がある。専任媒介契約と違い、有効期間の上限、指定流通機構への登録義務、業務処理状況の報告義務は法律上定められていない。
- 専任媒介契約
- 専任媒介契約とは、依頼者が他の宅地建物取引業者に重ねて媒介や代理を依頼することを禁ずる媒介契約である。有効期間は3か月を超えることができず(超える定めは3か月とされる)、更新は依頼者の申出がある場合に限られる。 業者は、契約締結の日から7日以内(休業日を除く)に物件を指定流通機構に登録し、2週間に1回以上、業務の処理状況を依頼者に報告しなければならない。依頼者が自ら見つけた相手方と契約すること(自己発見取引)はできる。
- 専属専任媒介契約
- 専属専任媒介契約とは、専任媒介契約のうち、依頼者が依頼した業者が探した相手方以外の者と売買・交換の契約を締結することができない旨の特約を含むものである。依頼者は自ら見つけた相手方とも直接契約できない。 有効期間は専任媒介契約と同じく3か月以内で、業者は契約締結の日から5日以内(休業日を除く)に指定流通機構に登録し、1週間に1回以上、業務の処理状況を報告しなければならない。
- 指定流通機構
- 指定流通機構とは、国土交通大臣の指定を受けて、宅地建物取引業者間で物件情報を交換するシステムを運営する一般社団法人または一般財団法人で、通称レインズ(REINS)という。専任媒介契約・専属専任媒介契約を締結した業者は、物件の所在・規模・形質、売買すべき価額などを登録し、登録を証する書面を遅滞なく依頼者に引き渡す。契約が成立したときは、遅滞なく成約の旨を通知する。
- 重要事項説明
- 重要事項説明とは、宅地建物取引業者が、取引の相手方などに対し、契約が成立するまでの間に、宅地建物取引士に、物件や取引条件に関する重要な事項を記載した書面(35条書面)を交付して説明させなければならないという義務である。説明する宅地建物取引士は宅地建物取引士証を提示し、書面に記名する。 登記された権利、法令上の制限、私道負担、代金以外に授受される金銭などを説明する。相手方が宅地建物取引業者の場合は、書面の交付は必要だが説明は省略できる。
- 37条書面
- 37条書面とは、宅地建物の売買・交換・貸借の契約が成立したときに、宅地建物取引業者が遅滞なく当事者に交付しなければならない書面である。当事者の氏名、物件の表示、代金・借賃の額と支払時期・方法、引渡しの時期などを記載し、宅地建物取引士が記名する。 重要事項説明と違って、宅地建物取引士による説明は義務ではない。相手方が宅地建物取引業者であっても省略できない。
- クーリング・オフ
- 宅地建物取引業法のクーリング・オフとは、宅地建物取引業者が自ら売主となる売買で、事務所等以外の場所で買受けの申込みや契約をした買主(宅地建物取引業者を除く)が、書面により申込みの撤回や契約の解除をできる制度である。撤回・解除は書面を発した時に効力を生じ、業者は損害賠償や違約金を請求できない。 クーリング・オフについて書面で告げられた日から8日を経過したとき、または物件の引渡しを受け、かつ代金の全部を支払ったときは、行使できない。
- 自ら売主制限
- 自ら売主制限(8種制限)とは、宅地建物取引業者が自ら売主となり、宅地建物取引業者でない者が買主となる売買について、買主を保護するために設けられた8つの規制である。クーリング・オフ、損害賠償額の予定等の制限、手付の額の制限、手付金等の保全措置、担保責任の特約の制限、自己の所有に属しない物件の売買契約締結の制限、割賦販売契約の解除等の制限、所有権留保等の禁止がある。業者間の取引には適用されない。
- 損害賠償額の予定等の制限
- 宅地建物取引業者が自ら売主となる売買では、債務不履行による契約の解除に伴う損害賠償の額を予定し、または違約金を定めるときは、これらを合算した額が代金の額の10分の2を超えることとなる定めをしてはならない。これに反する特約は、代金の額の10分の2を超える部分について無効となる。
- 手付の額の制限
- 宅地建物取引業者が自ら売主となる売買では、代金の額の10分の2を超える額の手付を受領することができない。受領した手付は、どのような性質のものでも解約手付とされ、相手方が契約の履行に着手するまでは、買主は手付を放棄して、業者は手付の倍額を現実に提供して、契約を解除できる。これより買主に不利な特約は無効である。
- 手付金等の保全措置
- 手付金等の保全措置とは、宅地建物取引業者が自ら売主となる売買で、引渡し前に受け取る手付金や中間金などについて、銀行等による保証や保険事業者による保証保険などの措置を講じた後でなければ受領してはならないというルールである。 未完成物件では代金の100分の5を超えるか1,000万円を超える場合、完成物件では代金の10分の1を超えるか1,000万円を超える場合に必要となる。完成物件では指定保管機関による保管も使える。買主が所有権の登記をしたときは不要である。
- 担保責任の特約の制限
- 宅地建物取引業者が自ら売主となる売買では、目的物が種類・品質に関して契約の内容に適合しない場合の売主の責任について、民法の規定より買主に不利となる特約をしてはならない。ただし、買主が不適合を売主に通知する期間を、目的物の引渡しの日から2年以上となる期間とする特約は認められる。これに反する特約は無効となり、民法の規定による。
- 自己の所有に属しない物件の売買契約締結の制限
- 宅地建物取引業者は、自己の所有に属しない宅地・建物について、自ら売主となる売買契約(予約を含む)を締結してはならない。ただし、業者が物件を取得する契約(予約を含み、停止条件付きのものを除く)を締結しているときなどは例外とされる。未完成物件の売買も、手付金等の保全措置を講じているときなどを除き、同様に制限される。
- 報酬額の制限
- 宅地建物取引業者が売買・交換・貸借の代理や媒介で受け取れる報酬の額は、国土交通大臣が定める額(告示)を超えてはならない。売買の媒介では、代金額のうち200万円以下の部分は5%、200万円超400万円以下の部分は4%、400万円超の部分は3%(いずれも消費税別)で計算した額が上限で、代理はその2倍以内(相手方からも受ける場合は合計で2倍以内)となる。 貸借の媒介では、貸主・借主から受ける合計が借賃の1か月分(消費税別)以内である。依頼者の依頼による広告の料金などを除き、上限を超える報酬は受け取れない。
- 誇大広告等の禁止
- 宅地建物取引業者は、業務に関して広告をするときは、物件の所在、規模、形質、現在や将来の利用の制限、環境、交通その他の利便、代金や借賃の額・支払方法、代金や交換差金に関する金銭の貸借のあっせんについて、著しく事実に相違する表示や、実際のものより著しく優良・有利であると人を誤認させるような表示をしてはならない。実際の損害や取引の成立がなくても違反となる。
- 広告開始時期の制限
- 宅地建物取引業者は、宅地の造成や建築に関する工事の完了前においては、その工事に必要な開発許可や建築確認などの処分があった後でなければ、その物件の売買などに関する広告をしてはならない。貸借の広告も対象となる。工事完了前の物件については、同様に、許可や確認の後でなければ売買・交換の契約もできない(契約締結時期の制限。貸借は対象外)。
- 取引態様の明示
- 宅地建物取引業者は、宅地・建物の売買などに関する広告をするときと、注文を受けたときは、自ら売主・貸主となるのか、代理か、媒介かという取引態様の別を明示しなければならない。広告で明示していても、注文を受けたときに改めて明示する必要がある。
- 案内所
- 案内所とは、宅地建物取引業者が事務所以外で、一団の宅地建物の分譲などのために設ける場所のうち、契約の締結や申込みの受付を行うものなどをいう。こうした案内所等には専任の宅地建物取引士を1人以上置き、業務を開始する日の10日前までに、免許権者と所在地を管轄する知事に届け出る。また、公衆の見やすい場所に標識を掲げなければならない。
- 従業者名簿
- 宅地建物取引業者は、事務所ごとに従業者名簿を備え、従業者の氏名、従業者証明書の番号などを記載し、最終の記載をした日から10年間保存しなければならない。取引の関係者から請求があったときは閲覧させる。あわせて、従業者には従業者証明書を携帯させなければ業務に従事させてはならない。
- 帳簿の備付け
- 宅地建物取引業者は、事務所ごとに業務に関する帳簿を備え、取引のあったつど、取引の年月日、物件の所在・面積、取引態様、相手方の氏名、代金などを記載しなければならない。帳簿は各事業年度の末日に閉鎖し、閉鎖後5年間(自ら売主となる新築住宅に係るものは10年間)保存する。
- 守秘義務
- 宅地建物取引業者は、正当な理由がある場合でなければ、業務上取り扱ったことについて知り得た秘密を他に漏らしてはならず、宅地建物取引業を営まなくなった後も同様である。業者の従業者も、業務を補助したことについて知り得た秘密を、従業者でなくなった後も漏らしてはならない。裁判の証人として証言する場合などは正当な理由に当たる。
- 業務停止処分
- 業務停止処分とは、宅地建物取引業者が業務に関し法令に違反した場合などに、免許権者などが1年以内の期間を定めて業務の全部または一部の停止を命ずる処分である。より軽い処分として、必要な措置をとるよう命ずる指示処分がある。業務地を管轄する知事も、自らの区域内で行われた違反について指示処分や業務停止処分ができる。処分の前には公開の聴聞を行う。
- 免許取消処分
- 免許取消処分とは、宅地建物取引業者の免許を取り消す処分で、免許権者だけが行える。欠格要件に該当するようになった場合、不正の手段で免許を受けた場合、業務停止処分に違反した場合、業務停止処分事由に当たり情状が特に重い場合などは、必ず免許を取り消さなければならない。免許を受けてから1年以内に事業を開始しないなどの場合も取消しの対象となる。
- 住宅瑕疵担保履行法
- 住宅瑕疵担保履行法(特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律)は、新築住宅の売主などに、構造耐力上主要な部分などの瑕疵を担保する責任を確実に果たすための資力確保措置を義務づける法律である。宅地建物取引業者が自ら売主として宅地建物取引業者でない買主に新築住宅を引き渡す場合、住宅販売瑕疵担保保証金の供託か住宅販売瑕疵担保責任保険契約の締結が必要となる。 毎年の基準日(3月31日)ごとに、その状況を基準日から3週間以内に免許権者に届け出なければならず、届出をしないと基準日の翌日から50日を経過した日以後、新たな新築住宅の売買契約を締結できない。
法令上の制限(19語)
- 都市計画区域
- 都市計画区域とは、一体の都市として総合的に整備、開発、保全する必要がある区域として指定される区域である。原則として都道府県が指定し、二以上の都府県にわたる場合は国土交通大臣が指定する。行政区画にとらわれず指定でき、都市計画は原則としてこの区域内で定められる。 都市計画区域外でも、そのまま放置すれば将来の整備に支障が生じるおそれがある区域は、準都市計画区域として指定できる。
- 準都市計画区域
- 準都市計画区域とは、都市計画区域外の区域のうち、相当数の建築物などの建築や敷地の造成が現に行われ、または行われると見込まれ、そのまま放置すれば将来の一体の都市としての整備・開発・保全に支障が生じるおそれがある区域として、都道府県が指定する区域である。用途地域などの土地利用を規制する地域地区は定められるが、区域区分や市街地開発事業などは定められない。
- 区域区分
- 区域区分(線引き)とは、無秩序な市街化を防止し計画的な市街化を図るため、都市計画区域を市街化区域と市街化調整区域に区分することである。市街化区域は、すでに市街地を形成している区域とおおむね10年以内に優先的・計画的に市街化を図るべき区域で、市街化調整区域は市街化を抑制すべき区域である。 市街化区域には少なくとも用途地域を定め、市街化調整区域には原則として用途地域を定めない。区域区分が定められていない都市計画区域は非線引き区域と呼ばれる。
- 用途地域
- 用途地域とは、都市計画で定める地域地区の一つで、建築できる建物の用途や規模を地域ごとに定めるものである。第一種低層住居専用地域、田園住居地域、商業地域、工業専用地域など13種類がある。用途地域ごとに、建築基準法の用途制限、建蔽率・容積率、高さの制限などが定められる。 住居系の地域では住環境の保護が、工業専用地域では工業の利便の増進が図られ、工業専用地域には住宅を建築できない。
- 地区計画
- 地区計画とは、建築物の建築形態、公共施設の配置などからみて、一体としてそれぞれの区域の特性にふさわしい良好な環境の街区を整備・保全するための都市計画である。市町村が定め、地区計画の区域のうち地区整備計画が定められている区域内で土地の区画形質の変更や建築物の建築などを行う者は、行為に着手する日の30日前までに市町村長に届け出なければならない。
- 開発行為
- 開発行為とは、主として建築物の建築または特定工作物の建設の用に供する目的で行う土地の区画形質の変更をいう。特定工作物には、コンクリートプラントなどの第一種特定工作物と、ゴルフコースや一定規模以上の野球場・遊園地などの第二種特定工作物がある。建築目的のない土地の造成(例えば青空駐車場のための造成)は、開発行為に当たらない。
- 開発許可
- 開発許可とは、都市計画区域・準都市計画区域内などで開発行為をしようとする者が、あらかじめ受けなければならない都道府県知事(指定都市・中核市の区域では市長)の許可である。市街化区域では1,000平方メートル未満(三大都市圏の一定区域は500平方メートル未満)、非線引き区域と準都市計画区域では3,000平方メートル未満、それ以外の区域では1ヘクタール未満の開発行為は許可が不要となる。市街化調整区域では規模にかかわらず原則として許可が必要である。 市街化区域外での農林漁業用の建築物のための開発行為、駅舎・図書館・公民館など公益上必要な建築物のための開発行為なども許可は要らない。
- 建築確認
- 建築確認とは、建築主が建築物の建築などの工事に着手する前に、その計画が建築基準関係規定に適合することについて、建築主事や指定確認検査機関の確認を受け、確認済証の交付を受ける手続である。特殊建築物で床面積200平方メートル超のもの、階数2以上または延べ面積200平方メートル超の建築物(木造かどうかを問わない)は全国どこでも、新築・一定の増築などや大規模の修繕・模様替で確認が必要となる。都市計画区域などの区域内では、それ以外の建築物の建築も確認が必要である。 工事が完了したら4日以内に到達するように完了検査を申請する。
- 建蔽率
- 建蔽率とは、建築物の建築面積の敷地面積に対する割合で、用途地域などに応じて都市計画で定められる上限を超えてはならない。防火地域内の耐火建築物等、準防火地域内の耐火建築物等・準耐火建築物等、特定行政庁が指定する角地の敷地では、それぞれ10分の1が加算される。 建蔽率の限度が10分の8とされている地域内で、かつ防火地域内にある耐火建築物等には、建蔽率の制限が適用されない。
- 容積率
- 容積率とは、建築物の延べ面積の敷地面積に対する割合で、用途地域などに応じて都市計画で定められる上限を超えてはならない。前面道路(2以上あるときは最も広いもの)の幅員が12メートル未満の場合は、その幅員のメートルの数値に、住居系の用途地域では原則10分の4、その他の地域では原則10分の6を掛けた数値と、都市計画で定めた数値のうち小さい方が上限となる。 敷地が容積率の異なる地域にわたる場合は、各地域の面積の割合で加重平均する。
- 接道義務
- 接道義務とは、都市計画区域・準都市計画区域内の建築物の敷地が、建築基準法上の道路(原則として幅員4メートル以上)に2メートル以上接しなければならないという義務である。建築基準法の施行の際すでに建築物が立ち並んでいた幅員4メートル未満の道で、特定行政庁が指定したもの(2項道路)は道路とみなされ、原則として道路の中心線から2メートルの線が道路の境界線とみなされる(セットバック)。
- 防火地域
- 防火地域・準防火地域とは、市街地における火災の危険を防除するため都市計画で定める地域で、区域内の建築物には、規模に応じて耐火建築物等・準耐火建築物等とするなどの制限がかかる。防火地域内では、階数が3以上または延べ面積が100平方メートルを超える建築物は耐火建築物等としなければならない。建築物が防火地域・準防火地域・指定のない区域にわたる場合は、原則として最も厳しい地域の規定が適用される。
- 国土利用計画法の事後届出
- 国土利用計画法の事後届出とは、一定面積以上の土地について売買などの契約(対価を得て行う土地に関する権利の移転・設定の契約)を締結した場合に、権利取得者が契約締結の日から2週間以内に、市町村長を経由して都道府県知事に、利用目的や対価の額などを届け出る制度である。届出が必要な面積は、市街化区域では2,000平方メートル以上、それ以外の都市計画区域では5,000平方メートル以上、都市計画区域外では1万平方メートル以上である。 知事は、利用目的について必要な変更をすべきことを勧告できる。贈与や相続など対価のない取得は届出不要である。
- 農地法の許可
- 農地法上の農地とは、耕作の目的に供される土地をいい、登記簿上の地目ではなく現況で判断する。農地の権利を移転・設定するには農業委員会の許可(3条許可)、農地を農地以外にする転用には都道府県知事等の許可(4条許可)、転用目的で権利を移転・設定するには都道府県知事等の許可(5条許可)が必要である。 市街化区域内の農地の転用・転用目的の権利移転は、あらかじめ農業委員会に届け出れば許可は不要となる。3条・5条の許可を受けないでした契約は効力を生じない。
- 宅地造成等工事規制区域
- 宅地造成等工事規制区域とは、宅地造成及び特定盛土等規制法(盛土規制法)に基づき、宅地造成などに伴い災害が生ずるおそれが大きい市街地などの区域として都道府県知事が指定する区域である。この区域内で一定規模以上の盛土・切土などの宅地造成等に関する工事を行う場合は、工事主は工事に着手する前に都道府県知事の許可を受けなければならない。 区域の指定の際すでに工事を行っている工事主は、指定があった日から21日以内に届け出る。区域の外側でも、特定盛土等規制区域で一定の盛土などを行う場合は届出や許可が必要となる。
- 土地区画整理事業
- 土地区画整理事業とは、都市計画区域内の土地について、公共施設の整備改善と宅地の利用の増進を図るため、土地の区画形質の変更と公共施設の新設・変更を行う事業である。施行者には、個人、土地区画整理組合、区画整理会社、都道府県・市町村などがある。 事業計画の認可などの公告があった日から換地処分の公告がある日まで、施行地区内で事業の施行の障害となるおそれがある土地の形質の変更や建築物の新築などを行う者は、都道府県知事等の許可を受けなければならない。
- 仮換地
- 仮換地とは、換地処分を行う前に、土地の区画形質の変更や工事のため必要がある場合などに、施行者が従前の宅地に代わるものとして指定する土地である。仮換地が指定されると、従前の宅地の権利者は、効力発生の日から換地処分の公告がある日まで、仮換地を従前の宅地と同じ内容で使用・収益でき、従前の宅地は使用・収益できなくなる。従前の宅地の所有権自体は移らないので、売却などの処分は従前の宅地について行う。
- 換地処分
- 換地処分とは、土地区画整理事業の工事が完了した後に、換地計画に定められた事項を関係権利者に通知して行う処分で、原則として換地計画に係る区域の全部について工事が完了した後に遅滞なく行う。換地処分の公告があると、換地は公告の日の翌日から従前の宅地とみなされ、換地を定めなかった従前の宅地の権利は公告の日が終了した時に消滅する。 清算金は公告の日の翌日に確定し、保留地は公告の日の翌日に施行者が取得する。
- 保留地
- 保留地とは、土地区画整理事業の換地計画で、換地として定めずに施行者が確保する土地である。個人施行者・土地区画整理組合・区画整理会社が定めるときは、事業の施行費用に充てるため、または規準・規約・定款で定める目的のために、都道府県・市町村などの公的な施行者が定めるときは、事業の施行費用に充てるために定めることができる。保留地は、換地処分の公告があった日の翌日に施行者が取得し、売却して事業費に充てるなどに使われる。
税その他(10語)
- 不動産取得税
- 不動産取得税とは、土地や家屋の売買・贈与・新築などによって不動産を取得した者に、その不動産が所在する都道府県が課す税である。課税標準は固定資産課税台帳の価格などで、標準税率は4%(住宅と土地の取得には期限付きの特例税率がある)。相続や法人の合併による取得には課されない。 課税標準となるべき額が免税点に満たない場合は課税されず、2026年4月1日施行の改正後の免税点は、土地16万円、家屋の建築66万円、家屋のその他の取得34万円である。新築住宅は一定の要件で価格から1,200万円が控除される。
- 固定資産税
- 固定資産税とは、土地・家屋・償却資産に対して、その所在する市町村が課す税である。賦課期日は1月1日で、その日に固定資産課税台帳に所有者として登録されている者が、その年度の税を納める。年の途中で売買しても、法律上は月割りにならない。標準税率は1.4%である。 住宅用地は課税標準が3分の1に、200平方メートル以下の部分(小規模住宅用地)は6分の1になる。課税標準となるべき額が土地30万円、家屋20万円、償却資産150万円に満たない場合は課税されない(免税点)。
- 登録免許税
- 登録免許税とは、不動産の登記などを受ける者に国が課す税で、登記を受ける者が連帯して納付する。不動産の所有権の移転登記などの課税標準は、原則として固定資産課税台帳に登録された価格である。 住宅用家屋の所有権の保存登記・移転登記や抵当権の設定登記には、自己の居住用であること、床面積50平方メートル以上であること、新築・取得後1年以内の登記であることなどを要件とする税率の軽減の特例(期限付き)がある。
- 印紙税
- 印紙税とは、不動産の売買契約書、金銭消費貸借契約書、建設工事の請負契約書、受取書など、印紙税法で定める課税文書を作成した者に国が課す税である。原則として課税文書に収入印紙を貼り付けて消印することで納付する。税額は契約書などの記載金額で決まり、国や地方公共団体が作成した文書は非課税となる。 建物の賃貸借契約書は課税文書に当たらないが、土地の賃借権の設定の契約書は課税される。印紙を貼らなかった場合は、納付しなかった税額とその2倍の合計額(3倍)の過怠税が課される(自主的に申し出たときは軽減)。
- 譲渡所得
- 譲渡所得とは、資産の譲渡による所得で、土地・建物の譲渡では、譲渡の年の1月1日における所有期間が5年を超えるものを長期譲渡所得、5年以下のものを短期譲渡所得として、他の所得と分けて課税する(分離課税)。長期譲渡所得は所得税15%、短期譲渡所得は所得税30%の税率となる(このほか住民税と復興特別所得税がかかる)。 譲渡所得の金額は、譲渡価額から取得費と譲渡費用を差し引いて計算する。
- 居住用財産の3,000万円特別控除
- 居住用財産の3,000万円特別控除とは、自分が住んでいる家屋やその敷地などを譲渡した場合に、譲渡所得から最高3,000万円を控除できる特例である。所有期間の長短は問わない。住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに譲渡することなどが要件で、配偶者や直系血族など特別の関係がある者への譲渡には適用されない。前年・前々年にこの特例などの適用を受けている場合は使えない。
- 居住用財産の軽減税率の特例
- 居住用財産の軽減税率の特例とは、譲渡の年の1月1日における所有期間が10年を超える居住用財産を譲渡した場合に、課税長期譲渡所得金額のうち6,000万円以下の部分の所得税の税率を10%(6,000万円超の部分は15%)に軽減する特例である。3,000万円特別控除と併用でき、控除後の金額に軽減税率を適用する。
- 地価公示
- 地価公示とは、土地鑑定委員会が、都市計画区域などの公示区域内から選定した標準地について、毎年1月1日時点の単位面積当たりの正常な価格を判定して公示する制度である。判定には2人以上の不動産鑑定士の鑑定評価を求める。正常な価格とは、自由な取引が行われるとした場合に通常成立すると認められる価格で、建物や地上権などがある場合はそれらが存在しないものとして判定する。 一般の土地取引では公示価格を指標として取引するよう努め、不動産鑑定士が公示区域内の土地を鑑定評価するときは公示価格を規準としなければならない。
- 住宅金融支援機構
- 独立行政法人住宅金融支援機構は、一般の金融機関による住宅の建設などに必要な資金の融通を支援する法人である。中心となる業務は、民間金融機関の長期固定金利の住宅ローン債権を買い取って証券化する証券化支援業務(フラット35の買取型)と、住宅ローンの保証型である。 災害復興住宅の建設資金などの融資は、一般の金融機関による融通を補完するものとして機構が直接行う。団体信用生命保険の業務も行う。
- 不当表示
- 不当表示とは、景品表示法で禁止される、商品・サービスの品質や取引条件について一般消費者を誤認させる表示である。実際のものより著しく優良であると示す優良誤認表示、取引条件が実際より著しく有利であると誤認させる有利誤認表示、おとり広告など内閣総理大臣が指定するものがある。違反には措置命令や課徴金納付命令が出される。 不動産の広告では、事業者団体が認定を受けて定める公正競争規約(不動産の表示に関する公正競争規約)で、徒歩所要時間を道路距離80メートルにつき1分として計算するなどの基準が定められている。
アプリで弱点分析つきの演習ができます