宅地建物取引業者ではないAを売主、宅地建物取引業者ではないBを買主とする宅地の売買契約において、BがAに手付を交付した場合に関する次の記述のうち、民法及び宅地建物取引業法の規定によれば正しいものはどれか。なお、当該契約では手付の性質について特段の定めはないものとする。

権利関係

1 Aは、代金の額の10分の2を超える額の手付を受け取ることができない。

なぜ違う: 代金の額の10分の2を超える手付を受け取れないとする制限は、宅地建物取引業者が自ら売主となる売買について宅地建物取引業法第39条第1項が定めるもので、宅地建物取引業者でない売主Aには及ばない。民法にも手付の額の上限を定める規定はない。

2 手付による解除がされた場合、解除された当事者は、手付の額を超える損害を受けたとしても、解除をした当事者にその賠償を請求することはできない。
3 Bは、手付を放棄して契約を解除する旨の意思表示をAにした後でも、気が変わればその意思表示を撤回して契約を元どおり続けることができる。

なぜ違う: 解除の意思表示は撤回することができない(民法第540条第2項)。手付による解除も法律の規定による解除権の行使であるため、いったん解除の意思表示をした後に撤回して契約を続けることはできない。

4 手付による解除は、相手方に解除の意思表示をするだけでは効力を生じず、裁判所に解除を請求して認められる必要がある。

なぜ違う: 解除は相手方に対する意思表示によってする(民法第540条第1項)。手付による解除も、解除する当事者が相手方に意思表示をすれば足り、裁判所に請求する必要はない。

正解: 2

要点: 正解は 2)。手付による解除(民法第557条第1項)は、法律の規定によって当事者に与えられた解除権の行使である。通常の解除では、解除をしても損害賠償の請求は妨げられないが(第545条第4項)、手付による解除にはこの規定を適用しないとされているため(第557条第2項)、解除された当事者は手付の額を超える損害があってもその賠償を請求できない。

手付による解除(民法第557条第1項)は、法律の規定によって当事者に与えられた解除権の行使である。通常の解除では、解除をしても損害賠償の請求は妨げられないが(第545条第4項)、手付による解除にはこの規定を適用しないとされているため(第557条第2項)、解除された当事者は手付の額を超える損害があってもその賠償を請求できない。解除は相手方に対する意思表示によってすれば足り(第540条第1項)、いったんした解除の意思表示は撤回できない(同条第2項)。代金の額の10分の2を超える手付の受領を禁じる宅地建物取引業法第39条第1項は、宅地建物取引業者が自ら売主となる売買の規定であり、売主が宅地建物取引業者でない本問の契約には適用されない。

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