連帯債務に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、誤っているものはどれか。なお、連帯債務者間に別段の合意はないものとする。

権利関係

1 連帯債務者の一人と債権者との間に更改があったときは、債権は、全ての連帯債務者の利益のために消滅する。

なぜ違う: 民法第438条は更改を絶対的効力事由とし、債権は全ての連帯債務者の利益のために消滅すると定めており、正しい記述である。

2 連帯債務者の一人が債権者に対して債権を有し、その連帯債務者が相殺を援用したときは、債権は総債務者の利益のために消滅する。

なぜ違う: 民法第439条第1項のとおりであり、相殺は絶対的効力事由として正しい記述である。

3 連帯債務者の一人に対して債権者が債務の履行を請求した場合、その効力は他の連帯債務者にも当然に及び、他の連帯債務者についても時効の完成猶予が生じる。
4 連帯債務者の一人が債権者との間で債務の免除を受けても、別段の意思表示がない限り、他の連帯債務者の債務はその効力によっては消滅しない。

なぜ違う: 令和2年施行の改正民法第441条により、免除は相対的効力事由とされ、原則として他の連帯債務者に影響を及ぼさない。免除により消滅しないとする本肢は正しい内容である。

正解: 3

要点: 正解は 3)。2020年施行の改正民法は、連帯債務の効力事由について相対的効力を原則とし、絶対的効力事由を弁済・更改(第438条)・相殺(第439条)・混同(第440条)に限定した。したがって履行の請求は相対的効力事由となり、一人への請求は原則として他の連帯債務者に効力を及ぼさない(第441条)。

2020年施行の改正民法は、連帯債務の効力事由について相対的効力を原則とし、絶対的効力事由を弁済・更改(第438条)・相殺(第439条)・混同(第440条)に限定した。したがって履行の請求は相対的効力事由となり、一人への請求は原則として他の連帯債務者に効力を及ぼさない(第441条)。時効の完成猶予も同様に他の連帯債務者には及ばない。したがって、一人に対する履行の請求の効力が他の連帯債務者にも当然に及び時効の完成猶予も生じるとする記述が、本問の誤っているものにあたる。免除・時効の完成も改正後は相対的効力事由である点が旧法との大きな違いであり、頻出の論点である。

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